アデノウイルス感染症とは?初期症状・感染経路・予防法を徹底解説!

アデノウイルス感染症とは 健康・美容情報
この記事のまとめ
アデノウイルス感染症」とは、アデノウイルスという原因ウイルスによって引き起こされる感染症の総称を指します。
アデノウイルス感染症は、小児や免疫力の低下した人がかかりやすい病気で、呼吸器や消化器、結膜(目の表面)などに感染して、様々な症状を引き起こすウイルスです。
アデノウィルス感染症を治療する特効薬は存在しないため、対処療法での治療が中心となります。
主な予防方法として、手洗いやうがいの習慣化、適切な健康管理、感染者への接触を避けるなど日常のセルフケアが大切です。
アデノウイルス感染症はどうやって治すの?
アデノウイルス感染症の予防接種ってあるの?

家族や自分自身がアデノウイルス感染症にかかった時、このような疑問や悩みを抱えたことはありませんか?

アデノウイルス感染症は、さまざまな病気を引き起こす原因ウィルスです。

アデノウイルスは51種類の血清型を持っており、身体のあらゆる器官に影響を与え、病気になる可能性があります。

今回の記事では、アデノウイルス感染症にかかる原因や症状、治療法などについて詳しく解説します。

アデノウイルス感染症について、気になる方は本記事をぜひ参考にしてください。

アデノウイルス感染症の基本情報を解説【概要、感染経路、病原菌】

アデノウイルス感染症の基本情報を解説【概要、感染経路、病原菌】

アデノウイルス感染症とは、アデノウイルスという原因ウイルスによって引き起こされる感染症の総称を指します。

アデノウイルスは、DNAウイルスの一種で51の型に分けられます。主に、1~8型のアデノウイルスが病気に関わっています。

また、長期間生存する能力があり、湿度や温度に強く、ドアノブやテーブルなどの表面に菌が付着しやすいので、身の回りの定期的な消毒が必要です。

さらに、小児や免疫力の低下した人がかかりやすい病気で、呼吸器や消化器、結膜(目の表面)などに感染して、様々な症状を引き起こすウイルスです。

代表的な病気として、呼吸器感染症、咽頭結膜炎、流行性角結膜炎、出血性膀胱炎、胃腸炎などがあります。

近年は、季節に関係なく感染する可能性のあるウイルスです。

感染経路は以下の3つとなります。できるだけ感染者に近づいたり、使用したものを共用しないように注意してください。

  • 飛沫感染(咳やくしゃみによる飛沫)
  • 接触感染(手すり、ドアノブなど感染者が触れた物に触れる)
  • 経口感染(ウイルスが付着した飲食物を口に入れた場合)

参照:アデノウイルス解説ページ

アデノウイルス感染症の症状とは?

アデノウイルス感染症の症状とは?

アデノウイルス感染症は、呼吸器や消化器官などに侵入することで様々な症状が出ます。
今から感染した場合の主な症状を解説するので、参考にしてください。

熱やのどの痛みが発症する

アデノウイルスが、人の呼吸器系に入ることで、熱やのどの痛みを発症します。

例えば、夏の時期に小児が感染しやすいプール熱(咽頭結膜熱)は、アデノウイルス感染症による風邪の一つです。

消毒が十分にされていないプールの水を介して感染します。潜伏期間5~7日程度で発症する病気です。

プール熱にかかると、39度~40度の高熱が4~5日続き、のどの痛みや頭痛、吐き気が伴います。

熱やのどの痛みが発症する気管支炎や肺炎もアデノウイルスが関与する病気です。

胃腸が弱まり、下痢、嘔吐になる

アデノウイルスが、人の消化器官に入ることで、胃腸が弱まり、下痢や嘔吐になります。

例えば、感染性胃腸炎はアデノウイルスが主要な原因ウイルスです。

6歳以下の未就学の小児がかかりやすく、潜伏期間は、3~10日で、発症すると下痢、嘔吐、発熱の症状が出ます。

感染者の便のウイルスが口から入ったり、飛び散ったウイルスを吸い込んだ場合に感染します。

目やに、目の痛み、目の充血

目やにや目の痛み、目の充血などの症状が出る流行性角結膜炎(はやり目)は、アデノウイルスが原因の病気です。

非常に感染力が強く、5日~2週間の潜伏期間で発症します。感染する年代は子供からお年寄りまで幅広く、人の手を介して感染する目の病気です。

流行性角結膜炎は感染力が強いため、学校保健安全法で定められる第三種学校感染症に分類されています。

そのため、就学時が感染した場合、3週間~1ヵ月程度学校を休む必要があります。

排尿時の痛み、頻尿、血尿の症状

出⾎性膀胱炎は、アデノウイルスによる病気の一つで、排尿時に血便が出たり、痛みの症状が出ます。

出血性膀胱炎は、生活の中での疲労やストレスで免疫力が低下した時にかかりやすい病気です。

多くの場合、1週間程度で症状は回復します。

特に女性は、尿道が短いため、感染しやすいので注意が必要です。

アデノウイルス感染症の主な治療方法を解説

アデノウイルス感染症の主な治療方法を解説

アデノウイルス感染症の治療方法をご紹介します。
根本的な治療方法はないため、一般的に特定の症状を軽減する対処療法となります。

感染者の感じている症状を「和らげる」ための治療です。

高熱やのどの痛みがある場合、解熱剤で熱を下げたり、頭痛であれば、鎮痛剤で痛みを和らげます。

小児が感染して、熱やのどの痛み、下痢がひどい場合、食欲不振や水分摂取不足になる可能性があるため、刺激の少ないゼリーやアイスクリーム、経口補水液などを摂取すると良いでしょう。

また、免疫力を高めるために、十分な休養も大切です。身体を無理に動かさず、しっかり栄養をとって安静に過ごすことも治療の一つになります。

アデノウイルス感染症の治療は、感染症そのものを治療するのではなく、症状を和らげるための対処療法です。

万が一、症状が重症化した場合や免疫力の低い子供の場合は、入院して治療することも意識しておきましょう。

参考:経口補水液の知識

アデノウイルス感染症の効果的な予防方法

アデノウイルス感染症の効果的な予防方法

アデノウイルス感染症は、普段の日常生活から意識して予防することが大切です。

今から一般的な予防方法を4つ解説します。

手洗いとうがいの習慣化を心がける

アデノウイルス感染症を予防する方法は、手洗いとうがいの習慣化です。

感染症は接触や飛沫によって広がるため、こまめな手洗いやうがいを心がけることが重要です。

特に、外出から帰宅した後や食事の前、トイレの後はしっかりと手を洗いましょう。

その際、アルコール消毒や石鹸を使って洗うのが効果的です。

流行時期の人混みをできるだけ避ける

アデノウイルス感染症を予防するために、流行時期の人混みはできるだけ避けることが大切です。

流行時期は、夏や冬でしたが、最近は1年を通して感染する可能性があります。

公共交通機関やショッピングモールなど人が集まりやすいところでは、感染のリスクが高くなるため、できるだけ避けるか、マスクを着用するようにしましょう。

適切な栄養、睡眠、運動を心がける

アデノウイルス感染症を予防するために、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。

規則正しい生活とは、バランスの取れた食事、質の良い睡眠、適度な運動を指します。

普段の生活から身体の免疫力を高めることで感染しにくい体質になります。

感染者との接触、共用を避ける

アデノウイルス感染症を予防するために、感染者との接触や、タオルやお風呂の共用を避けてください。

特に学校や職場などで感染が確認された場合は注意が必要です。

アデノウイルスには次亜塩素酸ナトリウムの消毒が効果的なので、ドアノブや手すりなどこまめな消毒を行いましょう。

参照:アデノウイルス感染対策

アデノウイルス感染症でよくある質問

アデノウイルス感染症でよくある質問

アデノウイルス感染症についてよくある質問をご紹介します。

質問内容を理解することで、アデノウイルス感染症の知識をさらに深めることができます。

アデノイウイルス感染症は大人にも感染しますか?

アデノウイルス感染症は大人にも感染するので注意が必要です。

大人の場合、職場環境や体調によって感染しやすい状況が異なります。

小さな子供と接する機会が多い保育士や母親、医療従事者、体調不良や基礎疾患がある人は特に注意してください。

体調が悪く免疫力が低下している場合や周囲に感染者がいる場合は、手洗いやうがい、マスクを着用して予防しましょう。

アデノウイルス感染症は、子供だけでなくすべての年代に感染する可能性がある病気です。

アデノウイルス感染症は一度かかるとかからないのですか?

アデノウイルス感染症は、何度もかかる可能性があります。

アデノウイルスは51種類の血清型を持っており、一度かかっても免疫が付きにくいウイルスです。

消化器系、呼吸器系、泌尿器系など様々な器官に感染症を起こす可能性があります。

アデノウイルス感染症の予防接種(ワクチン)はありますか?

アデノウイルス感染症の予防接種(ワクチン)はありません。

そのため、対症療法で治療を進めるのが一般的で、感染者の症状を和らげながら治癒していきます。

感染している間は、身体を休め、食事や水分補給を取ることが重要です。

アデノウイルス感染症は何日で治りますか?

アデノウイルス感染症のが治るまでの日数は、症状の違いや年齢、体調によって個人差があります。

一般的には、7日から10日程度が目安とされており、軽度の場合は数日で回復します。

ただし、子供や高齢者の場合、重症化すると治るまでにかなりの日数がかかるので、適切な対処療法が必要です。

症状が長引く場合は、医師の診察を受けてアドバイスをもらうようにしてください。

アデノウイルス感染症とインフルエンザの違いは何ですか?

アデノウイルス感染症とインフルエンザの違いは、どちらもウイルスによる感染症ですが、原因となるウイルスが異なります。

アデノウイルスは、熱やのどの痛み、目、消化器官にも影響を与えるウイルスです。

一方、インフルエンザウイルスは、急激な高熱が出るのが大きな特徴で、筋肉痛や関節痛も伴います。

インフルエンザの場合、飲み薬であればタミフル・ゾフルーザ、吸入薬ならリレンザ・イナビル、点滴はラピアクタという特効薬があります。

しかし、アデノウイルスには特効薬が存在しないので、対処療法が中心です。

発症した場合、医師の診察を受けて治療方法のアドバイスを受けるようにしてください。

まとめ:アデノウイルス感染症を予防するために日常のセルフケアを心がけよう!

まとめ:アデノウイルス感染症を予防するために日常のセルフケアを心がけよう!

今回の記事では、アデノウイルス感染症について解説しました。

アデノウイルス感染症は、多くの血清型を持っており、何度も感染する可能性のある病気です。

現在、アデノウイルスに効果のある特効薬やワクチンは開発されていないため、感染予防が重要です。

感染を防ぐには、日常生活の中での手洗いやうがいなどを習慣化したり、感染者との接触を避けることで予防できます。

万が一、感染した場合は、医師の診察を受け、適切な対処療法を受けるようにしてください。

本記事を通して、アデノウイルス感染症の基本知識を学ぶことができるので、ぜひ参考にしてください。