冷房病(冷え性)とは?治し方や原因をわかりやすく解説!

冷房病(冷え性)とは?治し方や原因をわかりやすく解説! お知らせ
この記事のまとめ
冷房病(冷え性)」とは、冷房の強く効いた室内から室外への出入りや、長時間室内にいることで身体の不調が引き起こされる、自律神経失調症の一つです。
冷房病の一般的な症状としては、頭痛、腰痛、倦怠感、消化不良、食欲不振などが挙げられ、特に女性や高齢者に多く見られます。
冷房病を直接治す薬は存在しません。
そのため、エアコンの温度を適切に調整することや、市販薬や漢方薬の利用、バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動などのセルフケアを行うことで、症状を改善することが重要です。
冷房病ってどうやって治すの?
冷房病と夏バテは違うの?

暑い夏の季節、冷房の効いた部屋で休んだり、仕事をしている方も多いと思います。

しかし、長時間冷房の効いた部屋にいたり、温度差のある部屋を出入りすることで体調を崩したことはありませんか?

冷房病(冷え性)は、冷房の強く効いた室内から室外への出入りや、長時間室内にいることで身体の不調が引き起こされる、自律神経失調症の一つです。

冷房病の一般的な症状としては、頭痛、腰痛、倦怠感、消化不良、食欲不振などが挙げられ、特に女性や高齢者に多く見られます。

冷房病を治すには、エアコンの温度調整や市販薬、漢方薬の服用、食事や睡眠、運動などセルフケアを行うのが一般的です。

冷房病は、自律神経系の乱れが原因で起こる症状のため、適切な治療を行わなければ症状が悪化する可能性があるので、注意が必要です。

本記事では、冷房病の定義や症状、治療法など詳しく解説します。

もし家族や自分が冷房病でお悩みの場合、この記事を参考にして、適切な対策を行ってください。

冷房病(冷え性)の定義

冷房病(冷え性)の定義

冷房病とは、冷房の強く効いた室内から温度差のある室外への出入りや、長時間室内にいることで身体の不調が引き起こされる自律神経失調症の一つです。

医学的には、正式に定義された「病気」ではありません。

冷房病は、身体の冷えが続くと血行が悪くなり、身体の部位の痛み、倦怠感、不眠などの症状が出ます。

また、季節に関係なく発症する可能性があり、主に夏場に多く見られる症状です。

熱を蓄える筋肉量が少ない女性や高齢者、普段から体温が低めの方、デスクワーク中心の生活や運動不足の方によく見られます。

地球温暖化による気温の上昇に伴い、エアコンの使用が一般的となった現代では、冷房病による体調不良が大きな課題の一つとなっています。

冷房病(冷え性)の主な症状

冷房病(冷え性)の主な症状

冷房病は、身体全体に不調が見られる症状で、日常生活にも影響を与えます。

冷房病の主な症状は以下の通りです。

  • 身体の浮腫
  • 肩こり
  • 頭痛、喉の痛み、腰痛
  • 倦怠感、だるさ
  • 腹痛、胃痛、下痢
  • 食欲不振
  • 神経痛
  • 生理痛の悪化
  • 不眠

特に女性は、血行不良が原因で生理不順や腰痛などの症状を引き起こすリスクが高い傾向にあります。

また、高齢者や子供は、急激な温度差に対して体温調節機能が適応しにくく、冷房病にかかりやすので注意が必要です。

予防のために、適切な温度設定や定期的な運動など、日頃のセルフケアが重要です。

冷房病(冷え性)の主な原因

冷房病(冷え性)の主な原因

冷房病の主な原因について解説します。

この内容を理解すれば、冷房病を効率よく予防できるので、ぜひ参考にしてください。

部屋の中と外の温度差の影響

私たちの体は、自律神経系の働きによって、夏になると体内の熱を外に放出しやすい状態に変化します。

そして、体温を36度前後に保つために、皮膚の血管を拡張させて発汗し、体温調節を行います。

しかし、室内外の急激な温度差により、自律神経系に異常が生じ、体が適応できなくなることで、頭痛や疲労感などの症状が現れるのです。

特に、外気温と室内の温度差が大きいほど、冷房病のリスクは高くなります。

参照:東京都障害学習情報

冷房が原因で身体が冷える

長時間エアコンの冷風に当たり続けると、皮膚の表面温度が下がり、体温調節が乱れて血管が収縮し、血行不良が生じて冷房病を引き起こします。

冷風による冷えは、身体のだるさや腹痛、腰痛、頭痛、食欲不振などを引き起こすのです。

運動不足による血行の不良で発症

冷房が効いた室内で、長時間座ったままの状態での作業は、血行が悪くなり冷房病を発症する原因となります。

特に、運動不足が続くと筋肉の働きが悪くなり、血液の循環が滞ってしまいます。

血行不良は冷房病を悪化させる要因となるため、適度な運動を心がけましょう。

冷房病(冷え性)の治し方

冷房病(冷え性)の治し方

冷房病の治し方について解説します。

冷房病を治す特別な治療法はないので、症状に合わせた対処療法もしくは、生活習慣の改善が一般的な治療方法となります。

適切な室温設定を意識する

冷房を使用する場合、室内の温度は25度~28度に設定し、外気温と室内の温度差は5度以内に抑えるようにしましょう。

少し暑いと感じるくらいが人の身体に良いとされています。

エアコンのドライ機能を使って体感温度を下げたり、扇風機を活用して冷風を循環させて室温を低くするのも一つの方法です。

また、エアコンの冷風が直接当たらないように工夫したり、上着、スカーフなどを活用して身体に風が当たる面積を減らすのもおすすめです。

室温設定だけでなく、自己対策を意識することが重要です。

市販薬、漢方薬の活用

冷房病を治す薬は存在しないため、症状に合わせた市販薬や漢方薬を使用して治療する方法があります。

特に漢方薬は、身体の免疫機能の底上げをしたり、身体を温める効果もあるのでおすすめです。

また、漢方薬は、効能が穏やかで副作用が少ないとされており、長期間服用することで体質改善が期待できる薬です。

食事や生活習慣の改善と一緒に取り入れることで効果を発揮するので、効率よく取り入れると良いでしょう。

ただし、漢方薬は、体質や症状に応じて適切なものを選ぶ必要があります。

自己判断で使用するよりも、詳しい専門の医師や薬剤師に相談して、自分に合った処方を選ぶことが重要です。

冷房病の改善に効果が期待できる市販薬や漢方薬を以下にご紹介します。症状に合わせて適切なものをお選びください。

商品 効能 メーカー
五積散(ごしゃくさん) 血行を良くする ツムラ
当帰四逆加呉茱萸生姜湯
(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
手足の血行を良くする ツムラ
当帰芍薬散
(とうきしゃくやくさん)
血行を良くする ツムラ
人参養栄湯
(にんじんえいようとう)
胃腸が弱い ツムラ
桂枝茯苓丸
(けいしぶくりょうがん)
下半身の血行を良くする ツムラ
加味逍遙散
(かみしょうようさん)
ストレスで冷えを感じる方 ツムラ
パナパール錠 疲労感、食欲不振の方 剤盛堂薬品
ロイルック・ロイルック錠 腰痛、神経痛の方 剤盛堂薬品
パナパール 風邪、咽頭痛の方 剤盛堂薬品
エッキ錠 生理不順、皮膚の荒れ 剤盛堂薬品

参照:漢方薬と免疫力

軽めに身体を動かして血行を良くする

軽い運動やストレッチを定期的に取り入れることで冷房病を改善することができます。

エアコンの効いた室内で長時間座り続けて作業を行う場合、定期的に立ち上がって軽い運動やストレッチをするようにしてください。

足先は心臓から一番遠いので、冷たさを感じやすい部位です。運動を行うことで、足先を温めることができ、血行が良くなり、症状が軽減される効果が期待できます。

日頃からウォーキングやランニングを習慣化すると、足の筋肉がつき、血流が良くなるため、足先が冷えにくくなります。

良い睡眠を十分にとって身体を休める

良質な睡眠をとることも冷房病の改善に効果的です。

就寝する2~3時間前にぬるめの湯船に浸かるなどして身体を温め、リラックスした状態で睡眠をとると良いでしょう。

冷房をつけた状態で就寝する場合は、冷房温度は25度~28度に設定して身体が冷えすぎないように注意してください。

また、エアコンのスイング機能を活用したり、タイマー機能で温度調整するなど工夫するのもおすすめです。

内外からしっかり身体を温める

冷房病を改善するために、身体の内側と外側両方から温めることが重要です。

特に温かい食事や飲み物を摂ることは、非常に効果的です。

例えば、血行をよくする食材として、生姜、ニンニク、唐辛子があります。また、身体を温める効果が期待できるビタミンB群を含む鶏肉、豚肉、魚、豆類、卵もおすすめです。

なるべく温性食品を中心に摂るようにして体調改善に務めてください。

夏は、そうめんや冷やし中華、アイスクリームなど冷たいものを摂りたくなりますが、体調が悪いときは、できるだけ控えるようにしましょう。

参照:冷え対策!体をあたためる食材、冷やす食材

冷房病(冷え性)でよくある質問

冷房病(冷え性)でよくある質問

冷房病に関してよくある質問をご紹介します。

記事内容を理解することで、冷房病についての知識が深まり、予防につながるので、ぜひ参考にしてください。

冷房病(冷え性)を治す方法はありますか?

冷房病を治す薬はありません。日常の温度管理やセルフケアが最適な治療方法です。

例えば、室内の温度設定は、25度~28度を目安にしてください。

また、症状に合わせた市販薬、漢方薬の活用、食事や運動などの健康管理を行うことで症状が改善されます。

冷房の使用時間をできるだけ控え、身体が冷えないようにすることが一番の予防です。

夏バテと冷房病の違いは何ですか?

夏バテと冷房病の違いは、暑さによる原因と冷えによる原因の違いです。

夏バテは、「暑さ」による体力の低下や消化不良、疲労などが主な症状で、冷房病は「冷え」による自律神経系の乱れによる頭痛、腹痛などがよく見られます。

夏バテの治療法は、冷房病と同じく日常のセルフケアが非常に大切です。

食事、運動、睡眠をバランスよくとるように心がけましょう。

冷房病は何日で治りますか?

冷房病の治る日数は個人差がありますが、早ければ数日で改善します。

慢性的な持病などがある場合は、数週間から数か月かかる場合もあるので、状態をみて医師に相談するのが良いでしょう。

冷房病にロキソニンは効きますか?

冷房病にロキソニンを使用するのはおすすめできません。

ロキソニンはプロスタグランジンの生合成を抑え、炎症に伴う腫れや痛みを和らげる解熱鎮痛剤です。関節リウマチや変形性関節症、歯痛、腰痛、急性上気道炎などの症状に効果がある薬です。

血管を収縮させて痛みを抑えますが、血行が悪くなるため体温が低下し、冷房病を悪化させてしまう可能性があります。

冷房病で頭痛、腰痛の症状が出た場合は、室内温度の設定やセルフケアを見直して治療するのがおすすめです。

まとめ:日常のセルフケアと室内温度を意識して冷房病(冷え性)を予防しよう!

まとめ:日常のセルフケアと室内温度を意識して冷房病(冷え性)を予防しよう!

今回の記事では、冷房病(冷え性)について解説しました。

冷房病とは、冷房の強く効いた室内から室外への出入りや、長時間室内にいることで身体の不調が引き起こされる自律神経失調症の一つです。

冷房病の一般的な症状としては、頭痛、腰痛、倦怠感、消化不良、食欲不振などが挙げられ、特に女性や高齢者に多く見られる病気です。

冷房病を治す薬は存在しないため、エアコンの温度調整や市販薬、漢方薬の服用、食事や睡眠、運動などのセルフケアを行い症状を改善します。

冷房病は自律神経系の乱れが原因で起こる症状のため、適切な治療を行わなければ症状が悪化する可能性があるので、注意が必要です。

もし家族や自分が冷房病でお悩みの場合、この記事を参考にして、適切な対策を行ってください。